防犯カメラのAI顔認証の導入費用|相場と法対応

防犯カメラのAI顔認証の導入費用|相場と法対応

※本ページにはプロモーションが含まれています

万引きを繰り返す人の顔を登録しておき、来店したら知らせてほしい——そう考えて見積もりを取ると、同じ「AI顔認証」の名前で数万円のカメラから100万円を超えるシステムまで並び、どれが自店に合うのか判断できなくなります。金額が大きく割れる理由は、機種の性能差より先に「誰の顔を、何と照合するか」が違うからです。照合の相手が変わると、個人情報保護法で求められる準備も変わります。この記事では、メーカーと工事会社の公式価格、4台構成の5年総額の試算、個人情報保護委員会が示す顔識別カメラの留意点を1本にまとめました。

AI顔認証の導入費用の相場|公式価格で徹底比較

公式に価格を出している範囲では、AI機能付きのカメラ本体が1台4.5万円から、顔認証の入退室管理システムが20万〜150万円です。顔認証の端末単体の価格を公開しているメーカーは多くありません。検索上位の専門店の価格表示は「月額8,000円前後から」のような下限額か本体価格の幅が中心で、構成ごとの内訳まで示したページは見当たりませんでした。当サイトがメーカーと工事会社の公式ページを取得し、価格が書かれている箇所だけを並べました。

費用の項目公式に公開されている価格公開元
AI機能搭載のカメラ本体(人の動きを自動で検知)1台4.5万円から(税抜)Safie(クラウド録画サービス)
顔認証の入退室管理システム(全体)20万〜150万円Safie(認証方式別の費用相場)
顔認証端末 Safie Entrance2(3機種)FC-03:99,300円/FC-02:198,000円/FC-01:335,000円(いずれも税別・2023年1月1日以降の申込分)Safie(価格改定のお知らせ)
クラウド録画の月額カメラ1台月額1,200円から(税抜・7日間録画プラン)Safie
カメラの取付工事(マンション・ビル・商業施設)1台38,280円(税込・配線10mまで・機材費別)防犯カメラ販売工事センター
ネットワークカメラの設定/電源工事1台3,300円(税込)/15,000円から防犯カメラ販売工事センター

出典: Safie「防犯カメラの設置費用の相場」Safie「入退室管理システム7種類の費用相場」Safie Entrance2 商品価格改定について防犯カメラ販売工事センター 工事料金表(いずれも2026年9月22日に取得)。税抜・税別・税込の表記は各公開元の表示のままです。

費用は「端末」「照合の仕組み」「録画と保存」の3層で決まる

見積もりの金額差は、どの層にお金がかかっているかを見ると説明できます。1層目はカメラや認証端末の本体代です。2層目は顔の特徴を照合する仕組みで、カメラの中で処理するもの、クラウドで処理するもの、店内にサーバーを置くものがあります。3層目は映像と顔データの保存で、録画機を買うかクラウドの月額を払うかに分かれます。

専門店の「月額8,000円前後から」という表示は、2層目と3層目を月額にまとめた料金体系です。初期費用が0円でも、月額に機器代が含まれているかどうかで5年後の総額は大きく変わります。録画方式ごとの月額の違いはクラウド録画の防犯カメラ、顔認証を使わない一般的な防犯カメラの総額は防犯カメラ設置費用の相場で整理しています。

「顔認証」と「顔識別」で費用も義務も変わる

AI顔認証と呼ばれている製品は、照合の相手によって3つに分かれます。社員や会員が自分の顔を登録して扉を開ける「顔認証」、来店者や通行者の中から事前に登録した人を探す「顔識別」、顔の照合はせず人の動きだけを検知する「人物検知」です。個人情報保護委員会は、2つ目を「顔識別機能付きカメラシステム」と呼び、通常の防犯カメラとは別の留意点を示しています。

照合の相手で費用と義務が違う誰の顔を照合する?自分で登録した社員顔認証(入退室)全体20万〜150万円登録時に目的を伝えやすい来店者と登録者を照合顔識別(万引き等)目的の通知・公表が必須登録基準の文書化も要る照合しない人物検知AI本体4.5万円〜(税抜)目的が明らかなら公表不要出典: 個人情報保護委員会・Safie
AI顔認証カメラは「誰の顔を照合するか」で3つに分かれ、費用の出方と個人情報保護法上の準備が変わる(2026年9月22日に個人情報保護委員会のパンフレットとSafie公式ページで確認)
比べる点顔認証(入退室)顔識別(万引き・迷惑行為)人物検知AI
照合する相手自分で顔を登録した社員・会員事前に登録した人を、来店者・通行者の中から探す照合しない(人の動きを検知)
公式価格の例システム全体20万〜150万円/端末9.9万〜33.5万円(税別)公開価格は少なく、見積もりが中心本体4.5万円から(税抜)
利用目的の通知・公表必要(登録の場面で本人に伝えやすい)必ず必要。目的に顔識別を使うことを明記設置状況から防犯目的が明らかなら不要
見積書の外で必要になる準備社員への説明と登録・削除の手順掲示物、ホームページの告知、登録基準、保存期間、安全管理「防犯カメラ作動中」の掲示など

費用の読み方で最も差がつくのは、人物検知AIと顔識別の間です。人物検知AIのカメラは、画面に映った人の動きを検知するだけで、誰なのかは照合しません。万引き対策で「怪しい動きを知らせてほしい」のか、「過去に万引きした特定の人が来たら知らせてほしい」のかで、必要な仕組みが別物になります。前者なら人物検知AIで足り、後者だけが顔識別です。

個人情報保護委員会のパンフレット「カメラと個人情報保護法」(令和5年12月発行)は、従来型の防犯カメラについて、設置状況から防犯目的が明らかなら利用目的の通知または公表は不要(法21条4項4号)としています。一方で顔識別機能付きカメラシステムは、防犯目的で顔識別を行っていることが明らかではないため、必ず利用目的を通知または公表しなければならないと明記しています。万引き対策で使う防犯カメラ全般の選び方は万引き対策の防犯カメラで扱っています。

見積書に載らない法対応の準備|顔識別の6項目

顔識別を入れる場合、機器と工事の見積もりとは別に、店側で用意する書類と掲示物があります。検索上位の費用解説ページには、この準備に触れたものがありませんでした。個人情報保護委員会のパンフレットが挙げている留意点を、店舗で実際に用意するものに置き換えて並べます。

  1. 利用目的の文言を決める — 顔識別を使っていることがわかる書き方にします。パンフレットの例は「顔識別機能付き防犯カメラを利用したテロ防止、万引防止等」です。従来型のカメラで使う「万引防止のため」だけでは足りません(法17条1項)
  2. 店内の掲示とホームページの告知 — 公表の方法として、店舗でのポスター等の掲示や、自社ホームページのトップページから1回程度の操作で届く場所への掲載が例示されています。運用主体・利用目的・問合せ先を掲示し、詳細をホームページに載せる方法が望ましいとされています(法21条)
  3. 登録基準を文書にする — 予防したい行為を具体的に決め、登録対象を「その行為を行う蓋然性が高い人」に厳格に限ります。どの担当者が判断しても同じ結論になる、文書化された統一的な基準と運用体制を整えることが重要とされています
  4. 保存期間を決める — 法律に年数の決まりはありません。必要性を考えて期間を設定し、不要になったら遅滞なく消去するよう努めます
  5. 他店と共有するなら共同利用の通知を出す — 共同利用する旨、データの項目、利用する者の範囲、利用目的、管理責任者の氏名または名称と住所(法人は代表者の氏名)の5点を、あらかじめ本人に通知するか容易に知り得る状態に置きます(法27条5項3号)
  6. 安全管理措置を決める — 顔データを扱える従業者の限定と責任者の選任(組織的)、従業者への研修(人的)、記録媒体の盗難・紛失防止(物理的)、アクセス制御とアクセスログの監視(技術的)です。海外のクラウドに保存する場合は、その国の制度を把握したうえで措置を講じます

条文はe-Gov法令検索の個人情報保護法、顔識別カメラに関する委員会の資料一覧は個人情報保護委員会「カメラ関連」のページで確認できます。掲示物の作成や規程づくりを業者に頼むか自社で行うかで、見積もりの総額は変わります。業者の見積もりにこれらの支援が含まれているか、最初に確認してください。防犯カメラ全般で事業者が負う義務は防犯カメラと個人情報保護法で解説しています。

4台構成の5年総額の試算

人物検知AIのカメラ4台をクラウド録画で使うと、5年総額は約68万円、月あたり約1.1万円です。顔識別の見積もりが来たときに比べる「照合しない場合の基準額」として、公開価格だけで計算しました。

項目計算金額(税込)
AI機能搭載カメラ本体49,500円(4.5万円の税込額)×4台198,000円
取付工事(商業施設の区分)38,280円×4台153,120円
ネットワークカメラの設定3,300円×4台13,200円
初期費用の合計364,320円
クラウド録画(7日間録画)1,320円(1,200円の税込額)×4台×60か月316,800円
5年総額初期費用+月額×60か月681,120円(月あたり11,352円)

前提: 本体と月額はSafieの公開下限額(税抜)に消費税10%を加えた値、工事はクラウド録画のため録画機の設定費を含めていません。防犯カメラ販売工事センターは、機材を持ち込む工事のみの依頼を4台以上から受け付け、対応エリアは東京近郊です。異なる公開元の価格を組み合わせた目安の試算で、実際の見積もりは現地の配線距離・取付の高さ・電源の有無で変わります。

月額の差は5年で60倍になって効く

顔識別や顔認証の料金体系は月額制が多いため、比べるべきは初期費用ではなく「初期費用+月額×60か月」です。月額の差がそのまま60倍になるため、月額が5,000円違えば30万円、1万円違えば60万円、2万円違えば120万円の差が5年でつきます。

月額1万円の差は、5年で顔認証端末の最上位機種FC-01(335,000円・税別)を2台近く買える金額です。初期費用0円のプランを勧められたら、5年と契約期間満了時の総額を見積書に書いてもらってください。契約期間と中途解約の条件も同時に確認します。月額制とリースの違いは防犯カメラの月額費用、複数社の見積もりの揃え方は防犯カメラ見積もりのコツと注意点を参照してください。

AI顔認証を入れないほうがいいケース

目的が「事件が起きたときの証拠を残すこと」なら、顔認証も顔識別も要りません。録画の画質と保存期間を上げるほうが、同じ予算で効果が出ます。顔識別を入れる前に、次の4つに当てはまらないかを確認してください。

  • 登録基準を文書にできない — 「誰を登録するか」を担当者ごとに判断する状態では、個人情報保護委員会が求める統一的な基準を満たせません
  • 店内の掲示やホームページの告知を出したくない — 顔識別は利用目的の通知または公表が必ず必要です。告知を避けたい事情があるなら、照合しない人物検知AIにとどめます
  • 従業員の勤務態度を見ることが主な目的 — 目的と使い方によっては違法になり得ます。境界線は防犯カメラで従業員監視は違法かで確認してください
  • 出入口が1つで、カメラが1〜2台で足りる小規模店 — 人の目で録画を確認できる規模なら、月額の照合サービスより録画の充実が先です

反対に、入退室の記録を残す義務がある事務所や、多店舗で同じ迷惑行為が繰り返されている事業者には、照合の仕組みが人の目より正確に働きます。個人情報保護委員会のパンフレットも、顔識別は顔写真と映像を人が見比べるより正確かつ簡単に見つけられるとしたうえで、懸念点があると説明しています。

補助金は使えるか

防犯目的で単独の店舗が顔認証カメラを入れる場合、国の補助金はほぼ使えません。旧IT導入補助金は令和7年度補正予算の事業から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりましたが、防犯カメラ本体と設置工事費はどの枠でも補助対象経費に入っていません。AIカメラが対象に出てくるのは複数者連携デジタル化・AI導入枠だけで、参加事業者10者以上が要件です。枠ごとの判定は防犯カメラはIT導入補助金の対象かにまとめています。

自治体の防犯カメラ補助金は、自治会・町内会が道路に向けて付ける街頭カメラや、個人宅の防犯機器が中心です。店舗や事業所が対象に入るかは自治体ごとに違うため、申請窓口で「顔認証機能付きでも対象か」まで確認してください。お住まいの地域の制度は防犯カメラ補助金完全ガイドから探せます。

導入の流れと相談先

AI顔認証の導入は、機種選びより前に「照合の相手」と「法対応の担当者」を決めるところから始まります。業者に相談する順番は次のとおりです。

  1. 目的を1文で決める — 入退室の記録か、特定の人の検知か、不審な動きの検知か
  2. 現地調査を依頼する — 出入口の数、照明、カメラから録画機やルーターまでの配線距離を業者が確認します
  3. 見積もりを「初期費用+月額×60か月」で比べる — 顔識別なら、掲示物や規程づくりの支援が含まれるかも比べます
  4. 利用目的の文言と登録基準を決めてから運用を始める — 掲示とホームページの告知を、稼働日より前に出します

店舗・事務所で複数社を比べるならEMEAO!

法人や個人事業主として、店舗・事務所・倉庫にAIカメラや顔認証の導入を検討している方に向いています。顔認証は、照合をカメラ内で行うか、クラウドやサーバーで行うかで業者の得意分野が分かれるため、1社の提案だけでは相場の判断がつきません。EMEAO!は専任のコンシェルジュが目的・台数・予算を電話で聞き取り、条件に合う業者を最大8社まで紹介するサービスで、利用は無料です。ヒアリングが終わると最短5分で業者から連絡が入ります。対象は法人・個人事業主です。

EMEAO!のテキストリンクはこちら:最大8社から一括お見積り【防犯カメラ】

顔の照合までは要らず録画で足りるならココロアソビ

上の「入れないほうがいいケース」に当てはまり、まずは録画の防犯カメラを費用を抑えて置きたい店舗・事業所に向いています。ココロアソビは防犯カメラ・録画機・モニターのセットを設置工事と保守込みで貸し出し、自動販売機を同時に置けばカメラ費用が0円になるサービスです。自販機を置かない月額プランは税込6,380円です。提供されるのは録画のためのカメラ一式で、顔の照合を目的としたサービスではありません。

契約期間は3年で、期間内の解約には解約金がかかります。自販機を置くスペースがない場合は0円のプランを使えない点に注意してください

よくある質問

万引きをした人の顔を顔識別カメラに登録するのに、本人の同意は必要ですか?
個人情報保護法上、登録のための本人の同意は不要です。個人情報保護委員会のパンフレット「カメラと個人情報保護法」は、利用目的の特定と通知または公表は必要としたうえで、登録のための同意は不要と説明しています。一方で、犯罪の経歴など要配慮個人情報を取得して登録する場合は、原則として本人の同意が必要です。店内で万引き行為が映っただけの映像は、犯罪の経歴にも刑事手続が行われたことにも当たらないため、要配慮個人情報の取得には該当しないとされています。
登録した顔のデータは何年まで保存してよいですか?
個人情報保護法には「何年以上登録してはいけない」という年数の決まりはありません。個人情報保護委員会は、利用の必要性を考えて保存期間を設定し、個人データを利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければならないと説明しています。登録基準と同じ文書に保存期間を書いておくと、担当者が替わっても運用がぶれません。
近くの店舗と顔データを共有することはできますか?
顔特徴データを他の事業者に提供するには、原則として本人の同意が必要です。例外は、法令に基づく場合、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人の同意を得ることが難しい場合、共同利用などです。共同利用では、個人情報保護法第27条第5項第3号にもとづき、共同利用する旨、データの項目、利用する者の範囲、利用目的、管理責任者の氏名または名称と住所(法人は代表者の氏名)を、あらかじめ本人に通知するか容易に知り得る状態に置く必要があります。
AI顔認証カメラの導入に、国のデジタル化・AI導入補助金は使えますか?
防犯目的の単独店舗では、ほぼ使えません。旧IT導入補助金(現在の名称はデジタル化・AI導入補助金)は、防犯カメラ本体と設置工事費をどの枠でも補助対象経費に入れていません。AIカメラが対象に出てくるのは複数者連携デジタル化・AI導入枠の消費動向等分析経費だけで、この枠は商工団体等が補助事業者となり、参加事業者10者以上が要件です。

見積もりを取る前に決めておく3つのこと

AI顔認証の費用は、機種の価格表より前に、店側の決めごとで大きく変わります。業者に連絡する前に、次の3点を紙に書き出してください。

  1. 誰の顔を照合するのか — 社員の入退室なら顔認証、来店者の中の特定の人なら顔識別、照合が要らないなら人物検知AIで足ります
  2. 顔識別なら、利用目的の文言と登録基準を誰が作るのか — 掲示とホームページの告知は必須です。業者の支援範囲を見積もりの段階で確認します
  3. 5年でいくらまで払えるか — 初期費用+月額×60か月で予算を決め、その額で各社の提案を比べます。条件がまとまったら防犯カメラの業者探しは【簡単・無料・厳選優良業者】のEMEAO!から複数社の見積もりを取ってください

業者ごとの対応範囲や料金の違いは防犯カメラ設置業者おすすめ4選で比較しています。