防犯カメラのステッカー掲示義務|必要な場面は4つ

防犯カメラのステッカー掲示義務|必要な場面は4つ

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自宅の玄関や駐車場を守るために付けた防犯カメラなら、「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼る法律上の義務はありません。店舗の開店準備でカメラを付けたら「ステッカーを貼っていないと違法になるのでは」と不安になった、自治会でカメラを付けることになり役員として何を掲示すればよいか分からない——調べるほど「義務ではない」「義務がある」の両方が出てきて迷うのは、答えが立場と使い方で分かれるからです。掲示が必要になるのは、店舗や事業所のカメラが外から気づきにくい場合、防犯以外の目的にも映像を使う場合、顔識別機能を使う場合、自治会や商店街が条例・補助金の条件を満たす場合の4つです。個人情報保護法の条文、個人情報保護委員会のQ&A、市区町村の条例と補助金要綱をもとに、自分がどれに当たるかと、ステッカーに書く内容までまとめました。

掲示が必要な4つの場面|2026年版の判定フロー

最初に分かれ道になるのは、映像を事業のために扱うかどうかです。個人情報保護法の義務がかかるのは「個人情報取扱事業者」で、第16条第2項は個人情報データベース等を事業の用に供している者と定めています。家族の安全のために自宅にカメラを付ける人はここに当たらないため、同法の掲示の考え方は届きません。反対に、顧客名簿や予約台帳を事業に使っている店舗・事業所、マンションの管理組合は、規模にかかわらず当たります。

ステッカー掲示が必要かの判定Q1 映像を業務で扱う?店舗・事業所・管理組合などいいえ(自宅)法律上の義務なしはいQ2 防犯以外にも使う?顔識別・販促・人流分析などはい目的の公表が必須いいえ(防犯のみ)Q3 カメラと気づける?外観・設置場所から見ていいえ作動中の掲示が必要はい義務はないが、掲示するのが望ましい(個人情報保護委員会 Q&A 1-13)別ルート:自治会・商店街が道路や公園を映す条例・補助金の要件で表示が必要なことがある根拠:個人情報保護法第16条・第20条・第21条、個人情報保護委員会Q&A。フローは当サイトが整理
ステッカー掲示の要否を3つの質問で判定するフロー。根拠は個人情報保護法第16条第2項・第20条第1項・第21条、個人情報保護委員会のQ&A 1-13と資料「カメラと個人情報保護法」。自治会・商店街の条件は地方自治研究機構の条例の整理と市区町村の補助金要綱による。フローの組み立ては当サイトの判断

フローを表にすると、次のようになります。「義務」と書いた行は、掲示をしないと法律や要綱の条件を満たさない場面です。

立場と使い方掲示根拠
自宅の防犯(個人)義務なし個人情報取扱事業者に当たらない(第16条第2項)
店舗・事業所・管理組合で、防犯のみ・カメラと分かる義務なし(望ましい)目的が明らかなら通知・公表は不要(第21条第4項第4号)。掲示は望ましい(Q&A 1-13)
店舗・事業所・管理組合で、カメラと気づきにくい義務気づけるようにする措置が必要(第20条第1項・Q&A 1-13)
販促・人流分析・従業員の管理など防犯以外にも使う義務(掲示またはホームページ等で公表)利用目的の通知・公表(第21条第1項)
顔識別機能付きカメラを使う義務防犯目的でも通知・公表が必須(資料「カメラと個人情報保護法」)
自治会・商店街が道路や公園を映す条例・要綱による48市区町村の条例、補助金の交付要件

条文は e-Gov法令検索の個人情報の保護に関する法律(2026年9月29日にAPIで取得)、Q&Aは個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」1-13による。表の区分は当サイトの整理です。

自宅でも、道路や隣の家の窓まで映る向きに付けると、個人情報保護法とは別に民法上のプライバシーの問題になります。家庭のステッカーは義務ではなく、映す範囲の配慮と組み合わせて使う道具です。映してよい範囲の考え方は防犯カメラと隣家のプライバシー、設置全体にかかわる法律の整理は防犯カメラの設置と法律で解説しています。

個人情報保護法の「義務」と「望ましい」の境目

事業者の防犯カメラで掲示が義務になるかは、撮られる人がカメラに気づけるかどうかで決まります。個人情報の保護に関する法律は、2つの条文で撮影する側の行動を縛っています。

  • 第21条(取得に際しての利用目的の通知等) — 個人情報を取得したら、利用目的を本人に通知するか公表しなければなりません(第1項)。ただし第4項第4号は「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」を除外しています
  • 第20条第1項(適正な取得) — 偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならないと定めています。隠し撮りのように、撮られていることに気づけない取り方がこれに触れます

この2つを防犯カメラに当てはめたのが、個人情報保護委員会のQ&A 1-13です。店舗や駅・空港などに付ける従来型の防犯カメラについて、次のように整理しています。

  1. 設置状況から防犯目的であることが明らかなら、第21条第4項第4号に当たり、利用目的の通知・公表は不要
  2. 設置状況から、撮られていることを本人が容易に認識できるといえない場合は、容易に認識できるようにする措置を講じなければならない(第20条第1項)。例として、店舗や駅・空港などの入口やカメラの設置場所に、防犯カメラが作動中であることを掲示することを挙げている
  3. 外観からカメラだと明らかな場合でも、同じように掲示をして、より容易に認識できるようにすることが望ましい

つまり、天井から下がった大きなドーム型や、壁に付いた筒型のカメラを防犯だけに使う店舗は、掲示しなくても直ちに違反にはなりません。反対に、小型のカメラを棚や照明の陰に付ける、火災報知器のような形の機種を使う、といった気づきにくい付け方をするなら、掲示は義務です。どちらに当たるか迷うなら、貼っておくのが確実です。お客さまだけでなく、従業員を映すカメラの扱いは従業員を映す防犯カメラは違法かで整理しています。法律の全体像は防犯カメラと個人情報保護法で解説しています。

顔識別・販促に使うなら掲示は必須

防犯以外の目的が加わった時点で、「利用目的が明らか」とはいえなくなり、通知・公表が必要になります。来店客の年齢層や動線の分析、売場づくりへの活用、従業員の勤務状況の確認などは、カメラを見ただけでは読み取れない目的だからです。

顔識別機能付きのカメラは、さらに扱いがはっきりしています。個人情報保護委員会の資料「カメラと個人情報保護法(民間事業者向け)」は、顔識別機能付きカメラシステムについて、防犯目的で顔識別を行っていることは明らかではないため、必ず利用目的を通知または公表しなければならないとしています。利用目的の書き方も、「顔識別機能付き防犯カメラを利用したテロ防止、万引防止等」のように、システムを使っていることが分かる形にする必要があります。

同じ資料は、公表の方法として、自社のホームページのトップページから1回程度の操作で届く場所への掲載と、カメラを設置した店舗でのポスター等の掲示を挙げています。そのうえで、カメラシステムの運用主体、利用目的、問い合わせ先を店舗に掲示し、詳しい内容をホームページに載せるといった工夫が望ましいとしています。「防犯カメラ作動中」の汎用ステッカーだけでは足りない、ということです。万引き対策でAIカメラを検討している場合の費用と法対応は防犯カメラのAI顔認証の導入費用で解説しています。

自治会・商店街は条例と補助金の条件を確認

自治会や商店街が道路・公園などの公共の場所を映すカメラは、個人情報保護法とは別に、市区町村の条例や補助金の要綱で表示が求められることがあります。

地方自治研究機構の「防犯カメラに関する条例」(令和7年12月9日更新)は、防犯カメラの条例を3つのタイプに分けています。

条例のタイプ制定数(令和7年11月1日時点)自治会・商店街への影響
自治体・自治会・商店街・鉄道事業者などが公共の場所に設置するカメラが対象48市区町村(東京都杉並区・世田谷区、愛知県豊田市、沖縄県那覇市など)設置している旨の表示などが遵守事項。基準の作成と届出を求める条例もある
自治体が自ら設置するカメラだけが対象36市町村(神戸市など)自治会・商店街には義務を課さない
安全・安心まちづくり条例の中で指針を定める5県と東京都練馬区・多摩市指針に沿った配慮を求める(埼玉県など)

一般財団法人地方自治研究機構「防犯カメラに関する条例」(令和7年12月9日更新)の記載を当サイトが表に整理。

同機構の整理では、1つ目のタイプの条例は個人や事業者が自宅や個々の店舗・工場などを撮影するカメラを対象外としており、罰則を置く条例はありません。店舗の前の歩道を少し映す程度なら、多くの場合この条例の対象にはなりません。ただし条例名や対象は自治体ごとに違うため、自治会で道路にカメラを付けるときは、市区町村の防犯担当課に先に確かめてください。

補助金を使う場合は、表示が交付の条件になっていることがあります。千葉県市原市の市原市防犯カメラ補助金交付要綱は、補助の対象となる防犯カメラの要件の1つに「防犯撮影を示す表示及び設置者の名称を記したプレートを設置しているもの」を挙げ(第2条第1号キ)、申請書類にも表示プレートの設置位置図を求めています。千葉県我孫子市の我孫子市防犯カメラ設置事業補助金交付要綱は、「防犯カメラの設置を示す表示板等の購入費」を補助対象経費に含めています(第4条第1項第2号)。表示板の費用も見積もりに入れておくと、申請のやり直しを防げます。自治会でカメラを付ける流れは町内会・自治会の防犯カメラ設置、条例による届出の例は防犯カメラの設置義務と条例、自治体の補助金は防犯カメラの補助金でまとめています。

ステッカーに書く内容|場面別の文例

書く内容は、撮られる人が「誰が・何のために撮っているか・どこに聞けばよいか」を知れるかで決めます。家庭なら「作動中」の一言で足りますが、事業者や自治会は、条例・要綱や個人情報保護委員会の資料が挙げる項目を入れておくと、後から問い合わせを受けたときに困りません。

場面文例入れる項目
自宅防犯カメラ作動中作動中であること(任意)
店舗・事業所(防犯のみ)防犯カメラ作動中
万引き等の防止のため録画しています
〇〇商店
作動中であること・利用目的・設置者
マンション共用部防犯カメラ作動中
管理者 〇〇マンション管理組合
お問い合わせ 管理会社〇〇(電話番号)
作動中であること・管理者・問い合わせ先
顔識別機能付きカメラ当店では顔識別機能付き防犯カメラを利用し、万引防止のため撮影しています
運用 株式会社〇〇
詳しくは当社ホームページをご覧ください
顔識別を使っていること・利用目的・運用主体・問い合わせ先
自治会・商店街(道路・公園)防犯カメラ設置区域
設置者 〇〇町会
管理責任者 〇〇(連絡先)
設置している旨・設置者の名称・管理責任者(条例・要綱の指定があればそれに従う)

文例は当サイトの作成。顔識別の項目は個人情報保護委員会「カメラと個人情報保護法」、自治会・商店街の項目は地方自治研究機構の条例の整理と市原市の補助金要綱の表示要件をもとにしています。

「録画中」と書くなら、実際に録画していることが前提です。録画した映像を何日残すかは防犯カメラの映像保存期間で目安を整理しています。映像の開示を求められたときの対応は防犯カメラ映像の開示請求にまとめています。

貼る場所と、賃貸で貼るときの注意

ステッカーは、撮影範囲に入る前の人の目に入る場所に貼ります。個人情報保護委員会のQ&A 1-13が例に挙げているのも、店舗などの入口とカメラの設置場所です。

  • 出入口 — 店舗なら入口の扉やその横、戸建てなら門柱や玄関の横。撮影範囲に入る前に目に入る位置です
  • カメラの近く — どのカメラが作動しているかが分かり、ステッカーだけを貼ったダミーだと思われにくくなります
  • 駐車場・通路の入口 — 敷地が広い場合は、車や人が入ってくる場所ごとに貼ります

カメラ本体の設置場所と高さの考え方は防犯カメラの設置場所で解説しています。賃貸住宅では、玄関ドアの外側や廊下、エントランスが共用部分にあたることが多いため、ステッカーも管理会社や大家の許可を取ってから貼ってください。賃貸でカメラを付ける進め方はアパートの防犯カメラ設置、分譲マンションで管理組合が共用部に付ける流れはマンションの防犯カメラ設置でまとめています。

ステッカーを貼っても解決しないこと

ステッカーは「撮っていることを知らせる」道具で、撮ってよい範囲を広げる道具ではありません。貼っておけば安心だと考えると、次の点で行き違いが起きます。

  • 隣の家を映してよいことにはならない — 撮影範囲が他人の窓や庭に入っていれば、ステッカーの有無にかかわらずプライバシー侵害を問われることがあります。判例の考え方は防犯カメラのプライバシー侵害と判例で解説しています
  • 目的外に使ってよいことにはならない — 「防犯カメラ作動中」と掲示していても、映像を販促や従業員の評価に使うなら、その利用目的を改めて通知・公表する必要があります
  • ステッカーだけでは記録が残らない — 抑止のために貼ることはできますが、被害が起きたときに見返せる映像はありません。ダミーカメラの効果と限界はダミーカメラの効果で解説しています

反対に、家庭では貼らない選択もあります。カメラの位置を知らせたくない、玄関の見た目を変えたくないという場合は、義務がない以上、貼らなくても問題はありません。抑止効果と見た目のどちらを優先するかで決めてください。

カメラの位置と掲示をまとめて相談できる窓口

掲示が必要かどうかは、カメラをどこに・どんな形で付けるかで決まるため、ステッカーより先にカメラの位置を決めるのが順番です。自宅や小さな店舗で、付ける位置と台数を業者と一緒に決めたい場合の相談先を挙げます。

自宅・小さな店舗なら防犯カメラ設置110番

自宅の玄関・駐車場や、小さな店舗の入口とレジまわりに、少ない台数で付けたい方に向いています。防犯カメラ設置110番は1台から頼め、カメラ1台と録画機・設置工事込みのベーシックプランが税込55,000円から、2台目以降は1台税込31,800円からです。電話は24時間365日受け付けています。「外からカメラだと分かる位置に付けたい」「隣の家が映らない向きにしたい」と伝えると、掲示が要らない付け方まで相談しやすくなります。対応エリア・加盟店により記載の価格・条件で対応できない場合があり、エリア・現場の状況によっては事前確認のうえ調査・見積もりに費用がかかる場合がある点は、見積もりの前に確かめてください。

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税込55,000円〜カメラ1台+録画機+設置工事込み/2台目以降 31,800円〜(エリア・加盟店により記載の価格・条件で対応できない場合あり)

  • 設置前の現地調査は原則無料・調査後のキャンセル料なし(エリア・現場により事前確認のうえ有料の場合あり)
  • 電話は24時間365日受付・日本全国
  • 希望の日時に作業に来てもらえる(深夜・早朝・休日も相談可)

こんな人に台数が少なく、料金の目安を先に知ってから頼みたい

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台数の多い店舗や複数の事業所に付ける場合は、業者ごとの対応範囲を店舗の防犯カメラの選び方で比べてから見積もりを取ると、比較がしやすくなります。

よくある質問

ステッカーを貼っていない店舗の防犯カメラは違法ですか?
外から見てカメラだと分かる位置に付けていて、防犯のためだけに使っているなら、ステッカーがないことだけで違法にはなりません。個人情報保護委員会のQ&A 1-13は、設置状況から防犯目的が明らかなら利用目的の通知・公表は不要としています。ただし同じQ&Aは、カメラと気づけるときでも作動中の掲示をして、より気づきやすくすることが望ましいとしています。
賃貸マンションの自分の玄関にステッカーを貼ってもいいですか?
玄関ドアの外側や廊下は共用部分にあたることが多いため、貼る前に管理会社か大家に確かめてください。どこが共用部分かは物件の規約や契約書で決まっているので、部屋の中から窓に貼る場合も含めて、カメラ本体を付けるときと一緒に許可を取っておくと後でもめません。
ダミーカメラにステッカーを貼るのは問題になりますか?
ダミーカメラは映像を撮らないため、個人情報保護法の掲示の考え方はそもそも当てはまりません。ただし「録画中」と書いたステッカーを貼っていると、被害にあった人から映像の提供を求められたときに記録が何もないことになります。抑止だけが目的なら、事実と違う文言は避けてください。
ステッカーの代わりに、ホームページへの掲載だけで足りますか?
利用目的の「公表」としては、ホームページへの掲載も方法の一つです。個人情報保護委員会の資料「カメラと個人情報保護法」は、トップページから1回程度の操作で届く場所への掲載を公表の例に挙げています。ただし、カメラと気づきにくい場所で撮影していることを知らせる措置(法第20条第1項)は、撮られる人がその場で気づけることが目的なので、店頭や入口の掲示が基本です。
自治会で道路を映す防犯カメラを付けるとき、表示は必要ですか?
市区町村の条例や補助金の要綱で、表示が求められていることが多くあります。地方自治研究機構の整理では、自治会や商店街が公共の場所に設置するカメラを対象にした条例が令和7年11月1日時点で48市区町村にあり、設置している旨の表示が遵守事項に挙がっています。補助金を使う場合も、千葉県市原市の要綱のように表示プレートの設置が補助の条件になっている例があります。

カメラを付ける前に確かめる3つのこと

ステッカーの要否は、貼る直前ではなくカメラを付ける前に決まります。次の3つを先に確かめてください。

  1. 映像を事業に使うかを決める — 自宅の防犯だけなら義務はありません。店舗・事業所・管理組合なら、防犯以外の目的にも使うかどうかを書き出しておきます
  2. カメラと分かる位置と形にする — 気づきにくい付け方をすると掲示が義務になります。外から見える位置に付け、迷うなら掲示もしておきます
  3. 自治会・商店街なら市区町村に確かめる — 条例の届出や補助金の表示要件があるかを、防犯担当課に聞いてから業者に見積もりを頼みます。自宅や店舗の位置決めから相談したいなら、防犯カメラ設置110番に相談する(24時間受付)から問い合わせできます

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