防犯カメラを複数店舗で一元管理|3方式の5年総額

防犯カメラを複数店舗で一元管理|3方式の5年総額

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店舗が3つ、4つと増えると、防犯カメラの映像を確かめるためだけに車で店を回る日が出てきます。レジの差異があった、客とのトラブルがあった、と連絡を受けても、映像はその店の録画機の中にしかありません。複数店舗の映像を本部で一元管理する方法は、クラウド型・各店の録画機+遠隔視聴・両者の併用の3つです。検索上位の解説は方式の違いを並べるところで終わっていたため、公開されている料金から1店あたりの5年総額を計算し、本部で見るために各店に必要な回線と、FC加盟店と映像を共有するときの個人情報保護法の扱いまで整理しました。

複数店舗を一元管理する3つの方式

一元管理の方式は「映像をどこに残すか」で3つに分かれます。本部から見られるという点はどれも同じで、違いは録画の置き場所、月額の有無、回線が止まったときの影響です。東京近郊の防犯カメラ専門店が公開している録画機とクラウドの比較をもとに、多店舗で使う観点から整理しました。

方式映像の置き場所月額回線が止まったとき向いている店舗網
クラウド型事業者のサーバーあり(台数×月額)録画が止まる各店の台数が少ない・録画機の置き場がない・出店と閉店が多い
各店の録画機+遠隔視聴各店の録画機(HDD)なし(回線費のみ)録画は続く・本部から見られない各店の台数が多い・5年以上同じ店舗で使う
併用(ハイブリッド)各店の録画機+必要な映像だけクラウドあり(小さめ)録画は続く現金を扱う・録画機ごと壊される心配がある

防犯カメラ販売工事センター「録画機 vs クラウド」(2026年9月30日に当サイトが取得)の比較表をもとに、多店舗の観点で当サイトが整理。

同じ専門店は、クラウドの利点を「カメラや録画機が物理的に壊されても映像が残ること」、弱点を「回線が切れると録画が止まること」と「月額が続くこと」としています。録画機の方式は、アナログカメラでも録画機がインターネットにつながっていれば遠隔で見られます。今あるカメラと配線を活かして録画機だけを替え、本部から見られるようにする道もあります。クラウド型の仕組みそのものはクラウド型防犯カメラの解説、スマホから見る設定は防犯カメラをスマホで遠隔監視する方法で説明しています。

店舗数別の5年総額を徹底比較|料金表からの試算

カメラ4台の店舗なら、クラウドの月額の合計は約20〜29か月で録画機の買い切りを上回ります。比べたのは「録画と遠隔視聴」にかかる部分だけで、カメラ本体・取付工事・各店の回線費はどちらの方式でもかかるため除いています。

  • クラウド型 — 複数拠点向けのプランを公開しているキヅクモのスタンダードプランは、1拠点あたり4台で月額4,400円、8台で月額7,920円(税込)です。カメラの機器費は39,600円〜で、設置費は別途見積もりです
  • 録画機+遠隔視聴 — 防犯カメラ販売工事センターの録画機交換の目安は、4ch録画機+HDD+交換作業で8〜12万円前後、8chで10〜16万円前後、HDDのみの交換は3〜5万円前後(2TB)です。同社の工事料金表では遠隔設定費が1台8,800円(税込)です
4台の店舗・1店の5年総額クラウド型(月額4,400円×60)264,000円録画機・HDD交換1回(上限)178,800円録画機・交換なし(上限)128,800円録画機・交換なし(下限)88,800円約20〜29か月目で総額が逆転カメラ本体・取付・回線費は含まずキヅクモ・防犯カメラ販売工事センターの公開料金から当サイト計算(9月)
カメラ4台の店舗1店あたりの、録画と遠隔視聴にかかる5年総額。クラウド型はキヅクモのスタンダードプラン(税込)、録画機は防犯カメラ販売工事センターの録画機交換の目安と遠隔設定費(税込)からの当サイトの計算(2026年9月30日確認)
1店あたりの台数クラウド型の5年分録画機+遠隔設定(最初の1回)月額の合計が上回る時期
4台264,000円88,800〜128,800円約20〜29か月目
8台475,200円108,800〜168,800円約14〜21か月目
4台×5店舗1,320,000円444,000〜644,000円約20〜29か月目
4台×10店舗2,640,000円888,000〜1,288,000円約20〜29か月目

すべて税込・当サイトの計算。クラウド型はキヅクモのスタンダードプラン(4台4,400円/8台7,920円・1拠点の月額)×60か月。録画機は防犯カメラ販売工事センターの録画機交換の目安(4ch 8〜12万円前後/8ch 10〜16万円前後・HDDと作業込み)に遠隔設定費8,800円を1店1回足した額で、HDDの交換(2TBで3〜5万円前後)は含みません。逆転の時期は録画機側の金額÷クラウドの月額で、端数は四捨五入しています。

店舗が何店あっても、1店あたりの台数が同じなら逆転の時期は変わりません。店舗数で決まるのは総額の大きさで、方式の損得を決めるのは「1店あたりの台数」と「その店を何年使うか」です。4台の店舗を2年以内に閉めたり移転したりする可能性が高いなら、録画機を買い切るよりクラウドの月額のほうが安く済みます。反対に、同じ店舗で5年以上使うなら、HDDを1回交換しても録画機のほうが1店あたり8万円以上安くなります。

クラウド型の月額には、録画機の保守や通知機能、複数ユーザーの管理画面が含まれます。金額だけでなく、本部で映像を探す手間がどれだけ減るかも比べてください。月額制のサービスを方式別に比べた表は防犯カメラの月額料金比較、1店に何台必要かの数え方は防犯カメラの台数の目安で解説しています。

本部で見るために各店に必要な回線

本部から見るには、本部側ではなく各店の側にインターネット回線が必要です。防犯カメラ販売工事センターの料金表も「遠隔監視設定にはインターネット回線が設置側・クライアント側に必須」と注記しています。見落としやすいのは、店から外へ映像を送る「上り」の速さです。

同じ専門店の録画日数の計算は、フルHD・高画質(2048kbps)・音声ありで、1台1日あたり約22GBとしています。この条件で、映像を常に店の外へ送り続ける場合の上りの量を当サイトで計算しました。

1店あたりの台数常に必要な上りの速さ1日に送る量30日に送る量
2台約4.1Mbps約44GB約1.3TB
4台約8.2Mbps約88GB約2.6TB
8台約16.4Mbps約176GB約5.3TB

当サイトの計算。速さ=2048kbps×台数、量=防犯カメラ販売工事センターの「1台1日約22GB」×台数。実際にクラウドへ送る画質や、動きがあったときだけ送る設定かどうかはサービスごとに違い、送る量はこれより少なくなることがあります。

この量は、全カメラの映像を24時間クラウドへ送る場合の上限の目安です。録画機の方式なら、映像は店の中で録画され、上りの通信が発生するのは本部やスマホから見ている間だけです。光回線がある店舗ならどちらの方式でも困りませんが、回線を引けない店舗でSIMルーターを使う場合は、同じ専門店が「月額費用、通信量、電波状況の確認が必要」と注意しています。SIMの店舗が混ざるなら、その店だけ録画機の方式にする選び方もあります。

誰がどの店を見られるか|権限と個人情報保護法

一元管理で最初に決めるべきなのは機器ではなく、本部の誰がどの店の映像を見られるかです。映像を1か所に集めると、店長が自分の店だけを見ていたときより、見られる人と範囲が一気に広がります。

店舗の防犯カメラと個人情報保護法の関係

個人情報保護委員会の個人情報保護法のQ&Aは、店舗の防犯カメラの扱いを次のように整理しています。

  • 防犯目的が明らかなら利用目的の通知・公表は不要(Q&A 1-13・法第21条第4項第4号)。カメラがあると気づきにくい場所では、作動中の掲示などの措置が必要です(法第20条第1項)
  • 日時でしか探せない映像は「個人情報データベース等」に当たらない(Q&A 1-41)。特定の人の映像を検索できるように整理されていなければ、この扱いです
  • クラウドに預けても、事業者が映像を取り扱わない契約なら第三者提供ではない(Q&A 7-53)。契約で取り扱わないことが定められ、アクセス制御がされている場合が例に挙がっています

掲示の要否をもう少し詳しく知りたい場合は防犯カメラのステッカー掲示義務、個人情報保護法全体の考え方は防犯カメラと個人情報保護法で解説しています。

直営店とFC加盟店では扱いが変わる

直営店だけなら、映像は同じ会社の中で見ていることになります。FC加盟店は別の会社のため、本部が加盟店の映像を見る設計にするときは一段確認が増えます。

注意が要るのは、顔識別で人物を探せるシステムを多店舗で入れる場合です。個人情報保護委員会の資料「カメラと個人情報保護法」は、顔特徴データを個人データとし、他の事業者に提供するには原則として本人の同意が必要で、共同利用などの場合は同意なく提供できると説明しています。共同利用にするには、次の5項目をあらかじめ本人に通知するか、容易に知り得る状態に置く必要があります(法第27条第5項第3号・Q&A 7-50)。

  1. 共同利用をすること
  2. 共同して利用する個人データの項目
  3. 共同して利用する者の範囲
  4. 利用する者の利用目的
  5. 管理について責任を持つ者の名称・住所・代表者の氏名

Q&A 7-50は、共同利用する者の範囲を防犯目的に照らして本当に必要な範囲に限ること、全員が同じ扱いをするための統一的な運用基準(登録基準や保存期間)を作ることが望ましいとしています。顔識別を使わない従来型のカメラでも、加盟店の映像を本部が見る運用にするなら、FC契約か別の取り決めで「誰が・何のために・どこまで見るか」を文書にしておくと、加盟店とのトラブルを防げます。顔認証カメラの費用と注意点はAI顔認証カメラの導入費用で比べています。

権限の分け方の例

同じ資料は、カメラ画像を扱うシステムを使える従業者を限定すること、責任者を定めること、アクセス制御とアクセスログで不正な利用を監視することを安全管理措置の例に挙げています。多店舗でよくある役割ごとに、当サイトで権限の分け方の例を作りました。

役割見られる店舗ライブ映像録画の再生映像の書き出し
本部の管理責任者全店○○○(記録を残す)
エリア担当担当エリアの店○○責任者の承認後
店長自分の店○○責任者の承認後
店舗スタッフ自分の店○(レジ前モニター等)××

当サイトの作成例。個人情報保護委員会「カメラと個人情報保護法」の安全管理措置(利用できる従業者の限定・責任者の設置・アクセス制御・アクセスログ)をもとにしています。

クラウド型も録画機の方式も、ユーザーごとに見られるカメラを分ける機能を持つ製品が多くあります。見積もりの段階で「店舗ごと・役割ごとに閲覧範囲を分けられるか」「誰がいつ見たかの記録が残るか」を必ず聞いてください。初期パスワードのまま外から見られる状態にしないことも、同じ専門店が遠隔視聴の基本として挙げています。

方式を決める前に確認する4つのこと

方式は、店舗網の形を4つの点で確かめれば絞り込めます。どれも見積もりの前に本部で答えを出しておける項目です。

  1. 1店あたりの台数 — 4台前後ならクラウドと録画機の差は小さく、8台を超えると録画機の方式が早く元を取ります。店ごとに台数がばらつくなら、店ごとに方式を分けても構いません
  2. 出店・閉店・移転の予定 — 2年以内に動く店が多いなら、機器を買い切らないクラウド型が向いています。拠点ごとに契約を増やしたり止めたりできるかを確認します
  3. 何日分の映像を残すか — 同じ専門店は、店舗・オフィスの推奨保存日数を2週間〜1か月としています。クラウド型は保存日数でプランが変わり、録画機はHDDの容量で決まります。考え方は防犯カメラの映像保存期間にまとめています
  4. 今ある録画機が遠隔視聴に対応しているか — 古い録画機は、遠隔視聴のアプリやメーカーのサーバーが終了していることがあります。録画機だけ替えれば今のカメラを活かせる場合は、アナログからIPへの入れ替えも比べてください

1店で試してから全店に広げる進め方

多店舗の一元管理は、全店を一度に替えるより、1店で試してから同じ構成を広げるほうが失敗が少なくなります。試しの1店で、回線の速さ・画角・本部での見やすさを確かめてから残りの店に広げます。

  1. 店舗ごとの現状を一覧にする — 台数・録画機の型番・回線の種類・設置から何年たったかを店ごとに書き出します
  2. 閲覧権限と保存日数を決める — 前の章の表を参考に、誰がどの店を見られるか、何日分残すかを本部で決めます
  3. 代表的な1店で試す — 客数が多く、トラブルの多い店で試すと、映像の探しやすさの差が分かります
  4. 同じ構成で残りの店に広げる — 機種と設定をそろえると、故障時の対応や操作の説明が1通りで済みます

店舗の防犯カメラで何を映すかは、店舗の防犯カメラおすすめと店舗の万引き対策で業態ごとに解説しています。故障したときの修理費と保証の考え方は防犯カメラの修理費用を参考にしてください。

複数店舗の見積もりをまとめて取る方法

複数店舗の工事は、全店に対応できる業者に同じ条件で見積もりを出してもらうと比べやすくなります。店舗が複数の市や県にまたがると、1社で全店を施工できるかどうかから確かめる必要があります。

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よくある質問

店舗ごとにメーカーが違うカメラでも、1つの画面にまとめられますか?
録画機とアプリがそのカメラに対応していればまとめられます。東京近郊の防犯カメラ専門店は、録画機を替えるときの確認項目として、信号方式(アナログかIPか)・チャンネル数・解像度・遠隔監視のアプリとメーカーのサービスが続いているかを挙げています。古い録画機は遠隔視聴のアプリやサーバーが終了していることがあるため、まとめる前に店舗ごとの録画機の型番を一覧にして確認してください。
本部で映像を見ることを、各店のスタッフに伝える必要はありますか?
防犯目的のカメラで、カメラが付いていることが見て分かるなら、個人情報保護法上は利用目的の通知・公表は不要とされています(個人情報保護委員会Q&A 1-13)。ただし本部の誰がどの店の映像を見るかは、社内の規程で決めておく必要があります。個人情報保護委員会の資料は、カメラ画像を扱うシステムを使える従業者を限定し、責任者を定めることを安全管理措置の例に挙げています。
クラウド型の防犯カメラに映像を預けると、第三者提供になりますか?
クラウドの事業者が映像を取り扱わない契約で、アクセス制御がされていれば第三者提供には当たらないとされています(個人情報保護委員会Q&A 7-53)。判断の基準は、預けたデータに個人データが含まれるかではなく、クラウドの事業者がそのデータを取り扱うことになっているかです。契約書や利用規約で、事業者が映像を閲覧・利用しない旨を確認してください。
店舗を閉めたとき、その店の録画映像はどうすればいいですか?
録画機の場合はHDDの中に映像が残るため、機器を処分する前に必要な映像を保存し、残りを消去します。クラウド型の場合は、拠点ごとの契約を止めると映像が見られなくなることがあるため、解約の前に必要な映像をダウンロードしておきます。個人情報保護委員会の資料は、利用する必要がなくなったデータは遅滞なく消去するよう努めることを求めています。

見積もりの前に本部で決めておく3つのこと

複数店舗の一元管理は、方式の名前より、店舗網の数字で答えが決まります。業者に相談する前に、次の3点を本部で決めてください。

  1. 1店あたりの台数と、その店を何年使うか — 4台の店舗なら約20〜29か月、8台なら約14〜21か月で、クラウドの月額の合計が録画機の買い切りを上回ります
  2. 各店の回線 — 4台の映像を常にクラウドへ送るなら上りで約8.2Mbpsが目安です。SIMルーターの店舗は録画機の方式も候補に入れます
  3. 誰がどの店を見られるか — 役割ごとの閲覧範囲と書き出しのルールを決め、FC加盟店の映像を見るなら取り決めを文書にします。まとめて相談するなら最大8社から一括お見積り【防犯カメラ】から申し込めます

業態ごとの導入例はコンビニの防犯カメラと飲食店の防犯カメラ、業者ごとの対応範囲の違いは防犯カメラ設置業者おすすめランキングで比較しています。