ストーカー対策の防犯カメラ|証拠になる映像の残し方

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ストーカー規制法で処罰の対象になる「ストーカー行為」は、同じ相手へのつきまといなどを反復してすることと定義されています(ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条第4項)。帰宅するとマンションの前に元交際相手が立っている、ポストに手紙が入っている——そう打ち明けても「たまたまでは」と返されるのが怖くて、相談をためらう人は少なくありません。防犯カメラの役目は、犯人の顔を撮ることだけではなく、日付の違う映像を重ねて「偶然ではなく繰り返されている」ことを示すことです。警察が警告や禁止命令を出す要件のうち映像で埋められる部分、カメラで残せる行為と残せない行為、証拠として通る録画の設定、賃貸でも付けられる場所と費用まで、法律の条文と警察庁の統計をもとにまとめました。
いま身の危険を感じているなら、この記事を読む前に110番通報してください。防犯カメラは記録の道具で、目の前の危険から身を守る道具ではありません。
警察が動く4つの要件と、映像で埋められる部分
ストーカー規制法の要件は「目的」「行為」「方法」「反復」の4つで、防犯カメラが直接示せるのは後ろの3つです。第2条第1項は、恋愛感情などの好意やそれが満たされなかった怨恨を満たす目的で、つきまといや見張りなどの行為をすることを「つきまとい等」と定めています。さらに第4項は、つきまといや見張り(第1号)から乱暴な言動(第4号)までと電子メール等の連続送信(第5号の一部)について、身体の安全・住居等の平穏などが害される不安を覚えさせるような方法で行われた場合に限って、反復すればストーカー行為になると定めています。
| 要件(条文) | 映像で示せること | 映像以外で補うもの |
| 目的(第2条第1項) 好意・怨恨を満たす目的 | 示せない | 関係の経緯のメモ、相手から届いたメッセージや手紙 |
| 行為(第2条第1項各号) つきまとい・見張り等 | 誰が、どこで、何をしたか | 電話・メールの履歴(カメラに映らない行為) |
| 方法(第2条第4項) 不安を覚えさせる方法 | 深夜の時刻、長時間の滞在、のぞき込む動き | その時に感じた不安と、生活への影響のメモ |
| 反復(第2条第4項) 同じ相手に繰り返す | 日付の違う映像に同じ人物が映っていること | 日付順に並べた被害メモ |
要件はストーカー行為等の規制等に関する法律第2条の条文を当サイトが4つに整理。「映像で示せること」「映像以外で補うもの」は当サイトの判断です。
表のとおり、目的だけは映像では証明できません。相手が元交際相手なのか、職場の同僚なのか、面識がないのかといった関係の経緯は、相談する本人が説明することになります。反対に、残りの3つは映像がいちばん強い記録です。特に「反復」は、1本の決定的な映像より、同じ角度から撮った日付の違う映像が3本、4本と並んでいることのほうが伝わります。防犯カメラの映像が証拠としてどう評価されるかの一般的な考え方は防犯カメラの証拠能力で解説しています。
カメラで残せる行為・残せない行為|令和7年の相談件数
相談の多い行為ほど、自宅の防犯カメラで記録しやすい行為です。警察庁の「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況」によると、令和7年のストーカー事案の相談等件数は22,881件でした。行為の形態別では、第1号の「つきまとい・待ち伏せ等」が12,181件で最も多く、自宅の前での見張りや押し掛け、付近をうろつく行為はこの号に入ります。
グラフの色分けは、玄関や駐車場を映すカメラで記録できるかを当サイトが判断したものです。行為ごとに、カメラのどこを使えば残せるかを整理しました。
| 行為(第2条の号) | カメラで残す方法 | カメラ以外の記録 |
| つきまとい・待ち伏せ・見張り・押し掛け・うろつき(第1項第1号) | 玄関・建物の出入口・駐車場を常時録画 | 外出先での待ち伏せは被害メモ |
| 面会・交際の要求(第3号)、乱暴な言動(第4号) | 録画機能付きインターホンで顔と声を残す | 電話やメッセージでの要求は画面の保存 |
| 監視していると告げる(第2号)、名誉を害する(第7号)、性的羞恥心を害する(第8号) | ポストへの投函・玄関への貼り紙の瞬間 | 届いた手紙・物の現物を触らずに保管 |
| 無言電話・連続電話・メール等(第5号) | 映らない | 着信履歴・メッセージ画面の保存 |
| 汚物等の送付・置く(第6号) | 玄関前に置く瞬間 | 置かれた物の写真 |
| GPS機器・紛失防止タグの取付け(第3項) | 車や自転車の置き場所を映す | 見つけた機器は外さず警察に相談 |
カメラが最も効くのは、件数が最も多い第1号の行為です。一方で、第5号の電話やメールは4,911件と3番目に多い類型ですが、カメラには一切映りません。スマートフォンの画面の保存とあわせて、両方の記録を並べて相談するのが確実です。車や自転車に取り付けられたGPS機器や紛失防止タグは、令和7年12月30日の改正で紛失防止タグも規制対象に加わりました(警察庁「ストーカー規制法が改正されました!」)。置き場所を映しておけば、取り付けた人と日時を残せます。
証拠として通る映像の残し方|5つの設定と記録
ストーカー対策の映像で大事なのは画質より「日時が正しいこと」と「消えていないこと」です。反復を示すには日付が要になるため、カメラの時刻がずれていたり、見つける前に上書きされていたりすると、映像の価値が大きく下がります。
- カメラと録画機の時刻を合わせる — 映像に焼き込まれる日時が、スマートフォンの時刻と合っているかを確かめます。インターネットにつながる機種は自動で時刻を合わせる設定にし、つながらない機種は月に1回合わせ直します
- 上書きまでの日数を知っておく — 録画機やSDカードは容量がいっぱいになると古い映像から消えます。何日分残る設定なのかを確かめ、その日数より短い間隔で映像を見返します。保存日数の目安と容量の考え方は防犯カメラの映像保存期間で解説しています
- 見つけた日のうちに書き出す — 相手が映っていたら、その前後を含めてUSBメモリやパソコンに書き出します。編集や切り取りをしていない元のファイルを1つ残し、確認用のコピーは別に作ります
- 同じ角度で撮り続ける — 途中で向きを変えると、別の日の映像と見比べにくくなります。玄関や出入口が同じ構図で映る位置に固定します
- 被害メモを日付順につける — 映像のファイル名と、日時・場所・相手がしたこと・そのとき感じたことを1行ずつ書きます。映像に映らない電話やメールも同じメモに並べます
夜に帰宅を待ち伏せされる場合は、赤外線の白黒映像だと服の色や車の色が分かりません。夜間も色が残るカメラなら、別の日の映像で同じ服・同じ車であることを示しやすくなります。方式の違いは防犯カメラの夜間カラー撮影で比べています。インターホン越しのやりとりを音声ごと残す場合の考え方は防犯カメラの音声録音は違法かにまとめています。
カメラを付ける場所|戸建て・賃貸・オートロック
付ける場所は、相手が現れる場所と、自分に決める権利がある場所の重なりで決まります。戸建てなら敷地内に自由に付けられますが、マンションやアパートの廊下・玄関ドアの外は共用部分のため、自分だけでは決められません。
| 住まい | 付けやすい場所 | 先に確かめること |
| 戸建て | 玄関の軒下・門柱・駐車場 | 道路や隣家の窓が映りすぎない向き |
| 賃貸マンション・アパート | 部屋の中から窓越し・録画機能付きインターホンへの交換 | 玄関ドアの外は管理会社・大家の許可と原状回復 |
| オートロックのマンション | 建物の防犯カメラ(管理側)+自室のインターホン | 管理会社に被害を伝え、建物の映像の保存を頼む |
オートロックのマンションでは、相手が建物の前やエントランスで待つことが多く、そこを映しているのは管理側のカメラです。管理会社に被害を伝え、該当する日の映像を上書き前に保存してもらうよう頼んでください。管理側のカメラの映像を見せてもらう手順は防犯カメラ映像の開示請求で整理しています。賃貸住宅で玄関の外に付ける場合の進め方はアパートの防犯カメラ設置、分譲マンションで管理組合に諮る流れはマンションの防犯カメラ設置で解説しています。
戸建てでも、道路や隣家の窓まで大きく映す向きは避けてください。映してよい範囲の考え方は防犯カメラと隣家のプライバシーにまとめています。外出先からスマートフォンで映像を確かめたい場合は、帰宅前に家の前に誰かいないかを見られるようにスマホで遠隔監視する設定をしておくと安心です。スマートフォンのアプリにつなぐ場合は、初期パスワードを必ず変えてください。
警察に相談した後の流れ|警告・禁止命令・援助
警察の対応は、相手に向けた「警告」「禁止命令等」と、被害者に向けた「援助」の3本立てです。令和7年の件数と条文を並べました。
| 対応 | 中身(条文) | 令和7年の件数 |
| 警告 | 警察本部長等が、繰り返してはならない旨を警告します。申出のほか職権でもできます(第4条) | 1,577件 |
| 禁止命令等 | 公安委員会が、繰り返さないことなどを命じます。警告を経なくても出せ、効力は1年で延長もできます(第5条) | 3,037件 |
| うち緊急の禁止命令等 | 緊急の必要があるとき、聴聞を行わずに出します(第5条第3項) | 1,840件 |
| 援助の申出の受理 | 被害を自ら防ぐための措置の教示などの援助です(第7条) | 8,373件 |
出典:警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況」(令和8年3月)、ストーカー行為等の規制等に関する法律。
警察庁の資料は、平成28年の改正で警告を前提としない禁止命令と緊急時の禁止命令が設けられて以降、禁止命令等が急増し、令和7年の3,037件は法施行後最多と説明しています。禁止命令等の約6割(1,840件)は緊急の手続きで出されており、「まず警告から」とは限りません。禁止命令等に違反してストーカー行為をすると2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金(第19条)、ストーカー行為そのものは1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第18条)です。
申出をしたのに警告や禁止命令が出なかった場合は、その理由が書面で通知されます(第4条第4項・第5条第7項)。通知の理由を読めば、次に何を記録すればよいかが分かります。援助の中身には、被害を防ぐための措置の教示や、被害防止に役立つ物品の教示・貸出(令和7年は801件)も含まれます。映像を警察に渡すときの手順は防犯カメラの映像を警察に提出する方法で解説しています。
相手が敷地や建物に入ってきた場合は、ストーカー規制法とは別に刑法第130条の住居侵入にあたることがあります。令和7年にストーカー事案に関連して検挙された刑法犯・他の特別法犯2,171件のうち、住居侵入は437件でした。
防犯カメラでは防げないこと
カメラは記録を残す道具で、相手を止める道具ではありません。付ける前に、できないことをはっきりさせておきます。
- 目の前の危険は止められない — 相手が玄関前にいる、ドアを叩いているといった場面では、映像を確かめるより先に110番通報してください
- 外出先での待ち伏せは映らない — 職場や駅での待ち伏せは自宅のカメラの範囲外です。日時と場所を被害メモに残します。令和7年12月30日の改正で、被害者の勤務先や学校も援助に努める主体に加わりました
- 電話・メール・SNSは映らない — 画面の保存が記録の中心になります
- ダミーカメラは記録にならない — 相手をためらわせても、反復を示す映像は残りません。効果と限界はダミーカメラの効果で解説しています
映像は警察に渡すための記録です。相手の顔が映った映像をSNSに載せたり、相手に直接見せて問い詰めたりしないでください。相手を刺激するうえ、自宅の場所を知らせることにもなります。近所の人からの嫌がらせで、恋愛感情が絡まないケースの記録の残し方は近隣トラブル・嫌がらせの証拠の残し方にまとめています。
自宅に付ける費用の相場
業者に頼んで玄関に1台付けるなら、カメラ・録画機・工事込みで税込55,000円からが目安です。玄関と駐車場のように2か所を映すと、台数に応じて金額が上がります。防犯カメラ設置110番の公開料金で台数ごとに計算しました。
| 台数 | 映す場所の例 | 金額の目安(税込) |
| 1台 | 玄関 | 55,000円〜 |
| 2台 | 玄関+駐車場 | 86,800円〜 |
| 3台 | 玄関+駐車場+勝手口や窓 | 118,600円〜 |
防犯カメラ設置110番のベーシックプラン(カメラ1台+録画機+設置工事で55,000円〜・2台目以降は1台31,800円〜)を当サイトが台数分足した金額です。対応エリア・加盟店により記載の価格・条件で対応できない場合があり、エリア・現場の状況によっては事前確認のうえ調査・見積もりに費用がかかる場合があります。
賃貸で工事ができない場合は、部屋の中に置くカメラや、今あるインターホンを録画機能付きに替える方法が現実的です。インターホンの交換も備え付け設備の変更になるため、管理会社か大家に先に確かめてください。一戸建て全体の費用の考え方は一軒家の防犯カメラで解説しています。
ストーカー対策のカメラを相談できる窓口
相手が現れる場所を確実に映せるかは、玄関の形・軒の高さ・配線の取り回しを見ないと決められません。自分で付けるのが不安な場合と、留守中も含めて家全体を守りたい場合の相談先を挙げます。
玄関・駐車場に早く付けたいなら防犯カメラ設置110番
待ち伏せやうろつきが続いていて、玄関と駐車場を映すカメラをできるだけ早く付けたい方に向いています。防犯カメラ設置110番は1台から頼め、カメラ1台と録画機・設置工事込みのベーシックプランが税込55,000円から、2台目以降は1台税込31,800円からです。電話は24時間365日受け付けており、公式サイトは希望の日時に作業に来ると案内しています。「同じ人物が繰り返し来ていることを、同じ角度で記録したい」「時刻がずれない録画機にしたい」と伝えると、付ける位置と録画の設定まで相談しやすくなります。対応エリア・加盟店により記載の価格・条件で対応できない場合がある点は、見積もりの前に確かめてください。
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防犯カメラ設置110番
税込55,000円〜カメラ1台+録画機+設置工事込み/2台目以降 31,800円〜(エリア・加盟店により記載の価格・条件で対応できない場合あり)
- 設置前の現地調査は原則無料・調査後のキャンセル料なし(エリア・現場により事前確認のうえ有料の場合あり)
- 電話は24時間365日受付・日本全国
- 希望の日時に作業に来てもらえる(深夜・早朝・休日も相談可)
こんな人に台数が少なく、料金の目安を先に知ってから頼みたい
無料で見積もりを依頼する留守中も守りたいならALSOKホームセキュリティ
一人暮らしで、留守中に部屋へ入られることまで心配な方に向いています。カメラの録画は自分で見返す仕組みですが、ホームセキュリティは異常を検知したときに警備会社へ知らせる仕組みです。カメラで記録を残すか、家全体をホームセキュリティで守るかを、資料を取り寄せて比べてから決められます。
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よくある質問
- 相手が元交際相手でも、ストーカー規制法の対象になりますか?
- 対象になります。ストーカー規制法第2条第1項は、恋愛感情などの好意の感情だけでなく、それが満たされなかったことへの怨恨の感情を満たす目的の行為も「つきまとい等」に含めています。警察庁の集計では、令和7年のストーカー事案の相談で被害者と加害者の関係が「交際相手(元含む)」だったのは8,910件で、相談等件数22,881件の38.9%でした。
- 映像が1回分しかなくても、警察に相談できますか?
- 相談できます。警告や禁止命令は、つきまとい等で不安を覚えさせる行為があり、さらに繰り返すおそれがあると認められるときに出されます(ストーカー規制法第4条・第5条)。1回分の映像でも相談の時点で渡し、その後も同じ場所の録画と被害メモを続けてください。日付の違う映像が増えるほど、繰り返されていることを示しやすくなります。
- 警察に申し出たのに警告されなかった場合はどうなりますか?
- 理由が書面で通知されます。ストーカー規制法第4条第4項は、申出を受けて警告をしなかったときは、その旨と理由を申出人に書面で通知するよう定めています。禁止命令も同じで、第5条第7項が書面での通知を定めています。通知の理由に「繰り返しが確認できない」などとあれば、追加の映像と被害メモを持って改めて相談してください。
- 賃貸の部屋の中から、窓越しにカメラで外を撮ってもいいですか?
- 自分の部屋の中に置くカメラは、共用部分への工事にならないため管理会社の許可なしで置けます。ただし窓越しの撮影は、夜間に赤外線の光がガラスに反射して映像が白くなることがあります。夜も撮りたいなら赤外線をオフにしてカラー撮影に対応したカメラを選ぶか、ガラスにレンズを近づけて置いてください。玄関ドアの外や廊下に付けるなら、管理会社や大家の許可が必要です。
- 映像はいつまで保存しておけばいいですか?
- 相手の行為が止まり、警察の手続きが終わるまで、書き出した映像は消さずに保管してください。禁止命令の効力は出た日から1年で、必要と認められれば1年ずつ延長されます(ストーカー規制法第5条第8項・第9項)。録画機やSDカードの中の映像は古い順に上書きされるため、気になる映像は見つけた日のうちにUSBメモリなどへ書き出します。
今日からできる3つのこと
ストーカー被害の記録で大切なのは、1本の決定的な映像より、繰り返されていることを示す記録の積み重ねです。今日から次の3つを始めてください。
- 被害メモを日付順につけ始める — 日時・場所・相手がしたこと・感じたことを1行ずつ書きます。電話やメールの画面も保存して並べます
- 今あるカメラの時刻と上書き日数を確かめる — 時刻がずれていれば合わせ、何日分残るかを確かめて、その日数より短い間隔で見返します
- 記録を持って最寄りの警察署に相談する — 映像が1回分でも相談できます。相手が現れる場所をまだ映せていないなら、防犯カメラ設置110番に相談する(24時間受付)から、玄関や駐車場を同じ角度で映せる位置を相談できます
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